一般社団法人 不動産協会

日本の不動産業

リゾート・ホテル、商業施設、物流施設

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リゾート・ホテル商業施設物流施設

リゾート・ホテル

  • リゾート整備とホテル開発
  •  1960年代から、国民の間にも余暇を楽しむゆとりが芽生え、各地で観光地などの整備が進みました。 1970年代後半に入ると、さらにリゾート開発が活発化、数百~ 1,000ha超の大規模な開発地に、スキー場やゴルフコース、マリーナ、大規模ホテルを備えた大規模複合リゾートが全国に誕生。1987年には「総合保養地域整備法」(リゾート法)が制定され、こうした動きがさらに進展しました。
     この状況を一変させたのがバブル崩壊です。リゾ ート法の適用を受けて開発された大型リゾート施設の多くが、集客見込みや収支計画の予測が外れ経営が破綻し、大手不動産事業者等が経営を引き継いだケースもありました。最近では、ホテルを中心とする新たなリゾート開発に加え、過去のリゾート地を再生するなどの動きも見られます。

  • 都市型ホテルの整備
  •  大都市を中心に立地する都市型のホテルは1964年の東京オリンピックをきっかけに供給が拡大しました。来日する海外の選手団や報道陣の宿泊需要に対応するためです。この時期に建てられたホテルは現在でも日本を代表すると言われる施設も少なくありません。その後、高度成長期を経て経済成長著しか った日本に商談に訪れる外国人ビジネスマンの宿泊需要等もあり、そうしたビジネスマン向けの都市型ホテルも整備されています。

  • 伸長するインバウンド需要とホテル供給
  •  近年、ホテルでは訪日外国人旅行者の需要が大きなポジションを占めています。2006年に観光立国推進基本法、2007年に観光立国推進基本計画が制定(2017年に改訂)され、そこで訪日外国人の旅行者の誘致強化が盛り込まれ、海外向けのプロモーション強化など、さまざまな取組みが進められています。
     2020年の東京オリンピック・パラリンピックに加え、2025年には大阪万博の開催も予定されており、訪日外国人数はさらに増加することが期待されています。
     旺盛なインバウンド需要を受け入れるために、新規のホテル開発が各地で活発化しています。既存ホテルでもリニューアルの動きが見られ、またオフィスビルをホテルに、商業施設をホテルにといったコンバージョン事例など供給形式の多様化も進んでいます。
     不動産事業者が手掛けるホテル事業では、1970年代後半以降、大規模複合開発にホテルが組み込まれるケースが数多く見られます。事業の形態としては、ホテル所有者が運営のノウハウを持つ子会社等に運営を委託する「マネジメント契約方式」や、海外有名ホテル等からブランド使用権と運営ノウハウの提供を受ける 「フランチャイズ契約方式」が目立つようです。
     また国内ではこれまで、富裕層向けの本格的なラグジュアリーホテルは多くはありませんでしたが、近年は不動産事業者が海外を中心としたラグジュアリーホテルを誘致し、海外ブランドホテルの開業が目立つようになっています。

    関連項目:「国際化」

    商業施設

  • 大店法廃止で大型施設が増加
  •  高度成長期以降、モータリゼーションの進展に伴 って郊外ロードサイド型の商業施設開発がみられましたが、開発の動きが加速したのは2000年代以降です。2000年の大規模小売店舗法の廃止で大規模な商業施設の開発が可能となったことを契機に、地方・郊外部も含めてショッピングモールと呼ばれる大型のショッピングセンターの開発が活発化しました。現在に至るまで、アウトレットモールやスポーツ施設、保育施設併設型のショッピングモールなど、全国各地で大規模かつ多彩な商業施設開発が進展しています。
     競争が激化する中、商業施設の競争力を維持・向上するために、テナントリーシング、適切な運営・管理、必要に応じたリニューアルなどが不可欠です。
     なお広い土地の確保が難しい一方で都心部では、再開発大型ビルの一部に小売りや飲食の店舗を集めて商業施設とする動きや、商業に特化した小型のビル開発等が多数見られます。また、まちの賑わい創出に向け、広場等を広く開放して地域の人と共にイベントを開催するといった取組みも増えてきています。

    物流施設

  • EC 市場の拡大等でニーズが増大
  •  従来は倉庫業がその機能を担っていた物流施設ですが、EC(電子商取引)市場の拡大等を背景に社会インフラとしての物流の重要性が高まるとともに、3PL(※)の隆盛等に伴い、日本国内の物流市場は急成長し、物流施設に求められる機能も変化しています。そうした中、不動産事業者も新たな事業の柱として物流施設事業に取組みはじめています。
     不動産事業者が整備する物流施設には、複数の企業に物流施設を賃貸する「マルチテナント型」 と、特定の企業のために物流施設を開発・賃貸する「ビルド・トゥ・スーツ型」 の大きく2種類に分類されます。また、消費者の購売スタイルの変化に伴い、大量の配送物を短期間で処理するための物流施設や保管・流通加工機能を備えた物流施設など、大型で先進的、複合的な機能を持つ施設が増加しています。将来の新たなICT技術やロボット導入を見据えた設計を採用した施設も出てきています。
     また免震構造の採用や非常用発電施設の設置等、災害対策やBCPに対応した物件も見られるほか、全館LED照明や太陽光発電による自家発電など環境に配慮した施設も増えています。またテナント企業の従業員確保のため、休憩施設 やカフェテリア、託児所等を併設して働きやすさに配慮した施設も登場するなど、さまざまな工夫がみられます。